古き青年

Authors

  • Naranbayar P

Abstract

田舎の様子は何の変哲もないが、時勢は混乱の中。砂地における泉や灌木のある
谷あいにそって時折古びたゲルから煙が立つ。四方八方は荒涼として白い霞が漂う。
真夏の灼熱がフェルトのゲルを容赦なく照らし、牧民の苛立ちを誘う。ゲルの近辺に
は牛の糞。子牛の群れが当たりを走りまわる。人々は物心がつく頃から白髪になるま
で一本の川沿いを上流から下流へ、下流から上流へ移動し、一つの井戸の周りを転々
と遊牧しながらこの世を去る。

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Published

2022-07-15